本革シートにもシートカバーを取り付けたい！

シートカバーメーカーの告知している適合表では、「純正シートが本革シートの場合は適合不可」という条件が書かれていることが多いです。上級グレードのレザーシートを選んだお客様からも、「本当に本革に取付できないか」、「ファブリックのシートと形は一緒だから大丈夫なんじゃないの？」と聞かれることも多くありますし、本革シートにシートカバーを「取付してほしい」と持ち込まれたこともあるので、今回はプリウス30型後期のレザーシートにシートカバーを取り付けた際の体験談をお話しします。

結論 シートカバーの取付はできました

こちらの写真は実際にプリウス30後期のレザーパッケージに、Refinadの専用デザインシートカバーを取り付けたものです。メーカーの適合表では、「本革シート適合不可」となっていましたが、お客様が「ファブリックのシートと本革のシートで形状は一緒だからつくでしょう」と、自己責任で購入されて取付に持ち込まれました。写真のようにピッチりと取付できました。

本革シートへの取付は生地の余裕がなく、シビアになる

こちらのシートはシートカバーの前面がすべてレザー。そのため、引っ張ってもなかなか伸びません。ファブリックシートへの取付との違いは、本革シートは押し込んだ時の反発力が強いので、相当硬くなります。でも全くつかないというわけではありません。相当きつく、大変でしたが、出来上がりの見栄えはしっかりしたものになりました。

後部座席のアームレストは初めての方にはきついかも

特に後部座席のアームレストのフックを止める部分は相当厳しいきつさでした。ヘラを使っても生地が伸びず、入れるのが大変でした。シートカバーをつけた状態では、アームレストをたたんでも完全には閉まりません。ただこれは通常のシートカバーでもこの部分は入らないことが多いので、レザーだから全くダメというわけではありません。

メーカーとしては適合の確認がとれない場合は「適合不可」

メーカーの方に、本革シートへの取付をなぜ適合不可にするのか尋ねてみました。

レザーシートの現車が手配できないから

レザーシートは、車の上級グレードだったり、中古の外車だったりするのですが、そもそも市場に出回っている数が少ないそうです。そのため、シートカバーを作っても、実際の取付テストをする車が手配できないという問題があるそうです。ファブリックの車で型をとり、形状が同じだから、おそらく本革シートにもつく、だけどテストができないから、明確に「装着できます」とは言えない、こんな場合は「適合不可」、もしくは「未確認」などとするそうです。今回のように、「本革適合不可」の場合でも、取り付けたらつきました、ということはありそうですね。

取付がきつい

取付がきついのはこちらでも体験したのでよくわかります。ファブリック用にピッタリの型で作っているので、きつくなってしまい、人によっては破ってしまうクレームもあるそうです。

オートウェア社の商品は本革シート対応可もある

メーカーの中でも、オートウェア社の製品は問い合わせたら「本革シートにも取付できます」、と明確に答えてくれました。オートウェア社のシートカバーは若干ゆるめに余裕をもって作られているのもあるとは思います。

本革シートが傷んだという話もある

本革の上からシートをかなり押し付けるので、革が傷んだとか、カビた、という話をきいたことがあるそうです。メーカーとしてはすべてテストするわけにはいかないので、基本的には「本革シート適合不可」としているそう。でもこちらで依頼されて本革シートにつけたお客様は、シートカバーが原因で「革が傷んだ」という話は聞いたことはありません。何年か経ってみないとわからないし、車の状態によって「カビやすい」、「カビにくい」など一概には言えないところがあるのではないでしょうか。

まとめ

メーカーとしてはテストしていないものを「適合します」とは言えないようです。ただ、シートカバーがつかないわけではないので、自己責任で買う分には問題ないのではないでしょうか。シートカバーはひっぱったり、若干加工しても良いので本革シートに取り付けてほしい、というお客様、「絶対つく」という保証はしませんが、取り付け作業は請け負います。